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善意につけ込む「募金詐欺」 だまされないためには…
7月18日14時16分配信 産経新聞
■「心当たり」「連絡先」まず確認を
福島県南相馬市で先月、中国・四川大地震などへの支援金を募るチラシ約1万5000枚が配布された。しかし記載されていた団体名などは架空のものと判明、福島県警は詐欺未遂の疑いで捜査を始めた。人の善意につけ込む悪質な手口だが、だまされないようにするにはどうしたらいいのか。(福島支局 小野田雄一)
チラシには「日本相互災害援助協会」という名で、「代表、佐藤博」名義の振込先口座などが記載されていた。不審に思った市民が県警に通報。県警は詐欺の疑いが強いとして口座凍結を要請。この対応が早かったため、今回はだれかが募金を振り込む被害には至らなかった。
この「佐藤博」名義の口座が登場するのは、これが初めてではない。ホームページ上の「夢なら」という架空請求データベースの管理人、内山桂一さん(31)によると、平成17年12月に、閲覧者から同一の口座の存在が通報されていた。この時は別の団体名だったが、口座名義、番号とも一致。県警も同一犯の疑いがあるとみて調べている。
募金詐欺が横行する理由について、情報サイト運営業「オールアバウト」(東京都)のガイドを務め、募金詐欺に詳しい筑波君枝さんは「大金を簡単に手に入れられるうえ、足がつきにくいため」と分析する。募金する人が詐欺の被害に気づきにくい▽気づいても被害額が低く通報する人が少ない−からだ。
実際、国内で募金詐欺が立件されたのはこれまで1件のみ。大阪市などの路上で平成16年、難病の子供支援をかたって街頭募金を行い、現金約2500万円をだまし取った事件だ。主犯格の男に大阪地裁は昨年11月、懲役5年の実刑判決を言い渡した。
立件が難しい理由の一つは、詐欺罪適用の解釈の難しさがある。同罪は(1)金品をだまし取るために人を欺く(2)実際に被害者がいる−の2点を主な構成要件とする。このため、南相馬市のチラシについて県警幹部は「被害者がおらず、だまされた人がいるかも不明。詐欺にあたるかまだ検討中」という段階にとどまっている。
詐欺と善良な募金の見極めが難しい、という点も厄介だ。善良な募金でも、全額が寄付されるわけではなく、必要経費や人件費などが募金の中から引かれるのが一般的。詐欺団体が、経費や寄付の遅れなどと弁明した場合、詐欺での立件は容易ではなくなる。
筑波さんは募金詐欺に遭わないための心得として、心当たりのない団体には募金しない▽連絡先などを確かめた上で募金する▽募金の使途を明確にしている団体を選ぶ−ことを挙げる。
募金詐欺に詳しい奥村徹弁護士(大阪弁護士会所属)は「個人ではなく社会全体に不利益を与える募金詐欺などの犯罪に対処するためには、刑法に新たな規定を設けることや、募金に関する法の整備が必要だ」と指摘している。



